01 出会い

新杵堂グループ代表である田口和寿は1990年、東京赤坂にある創業昭和22年和菓子店『塩野』に修行入店し住込みにて伝統的な和菓子職人の道に入る。 修行開始から5年経ち和菓子職人として活躍していた1995年の夏、ふとTVから流れるアメリカの「デジタル情報改革」のニュースに衝撃を受け、同年9月には単身ニューヨーク・マンハッタンの地に降り立っていた。渡米時の所持金は必死にかき集めた15万円のみ。仕事も住む場所ものツテもない田口は、アメリカで起こっているデジタル進化を肌で感じながら生きる方法を模索して彷徨う日々を過ごしていました。

02 継承と決意

なにも持たず渡米した田口が唯一持っていた物それは家業である『栗菓子』の技術、そして塩野で学んだ「和菓子」の技術と精神。田口はこの時、ニューヨーク摩天楼の地で「和の精神を注入した菓子創り」を継承していくことを決意。今に引き継がれる「新杵堂の精神」が生まれた瞬間です。

03 マンハッタンでの挑戦

多くの方々のご縁やお力添えによってマンハッタンでも有名な人気店「ISO」に見習いとして入社が決定。マンハッタンでの田口の挑戦が始まった瞬間でもあります。職場には世界中から大きな夢と野望を持って集まった凄腕の菓子・料理・サービスのプロ職人が凌ぎを削り、田口は自分の未熟さと「幸せや夢」の大切さを痛感したのでした。

04 想い

ニューヨークは「想いと行動力があれば誰とでも会うことができる街」。田口も実際に人々を通じてハリウッドスターや有名デザイナー、様々なジャンルのプロと接する機会を持つことができました。そのことが今の田口を構築する大きな要因になっています。「ほとばしる情熱と想いさえあれば自分をいかようにでも変化させていけるんだ!」と自分の思考回路が更新された瞬間でもありました。

05 LGBTな仲間

そんな刺激的な「ISO」には、世界中からやってきた様々な人種・宗教、そして思考をもった仲間が数多くおり、その中でも田口を支えたのはLGBTの仲間たちでした。お金はなく住む場所も転々としており友達もいない田口からは、不安な気持ちが滲み出ていたのかもしれません。そんな田口にたいしてLGBTな仲間たちが代わるがわる田口に声をかけ励ましてくれたのでした。田口のめちゃくちゃな英語の発音を何度も指摘して正してくれたことでコミュニケーション力があがり、普通では絶対に出入りできないような敷居の高いパーティーなどに一緒に連れて行ってくれて人脈もつないでくれて、いままで弱きだった自分の性格さえも『まず挑戦してみる』に激変させてくれるほど衝撃的な毎日でした。また「男女の気持ちの違い」を学んだことも今におおきく生きていて、当時の仲間たちには心から感謝の気持ちを伝えたい。本当に心からありがとう。

06 ブランド創造の原点

そんな私の第二の故郷といっておも過言ではないニューヨーク・マンハッタンで、仲間たちと一緒に新ブランド『ロールズニューヨーク(英記:Rolls NewYork ※登録商標取得済)』を立ち上げ、毎週末にマンハッタンやブルックリンで行われるフリーマーケットに出向いてスイーツの販売を開始しました。これが本ブランドの原点であり、いまもその頃の思いを継承しながらスイーツ作りに取り組んでいます。

07 永住または帰国の決断

ニューヨークでの生活も5年が経過しようとしていた1999年、日本から実父が病に倒れたとの一報が田口の元に届きました。その当時、成果次第では日本の10倍近くの給料をいただけるという環境にいた田口は帰国する事など一切考えていなかった。しかし日本からの一報を受け帰国を決意したのでした。

08 別れと誓い

何もできない外国人だった私を家族のように迎え入れ接して愛してくれた仲間たちとの別れは本当に辛かった。帰国を決意する中で「日本にもどっても必ず『世界』に挑戦しここニューヨークに戻ってくる」と皆に約束し、帰国の途へとついたのでした。

09 NOW

様々なお取引様、企業様を通じてアジア・カナダ、そしてアメリカに輸出できるようになり、カナダには現地法人『新杵堂カナダ』を新設。カナダでの販売とアメリカへの発信をつづけており、今後も当時の約束を果たすため世界への発信と挑戦は変わりなくむしろさらに強化していくことを決意しております。

10 ロールズニューヨークLOGOの由来

和菓子の世界において、先代たちから受け継がれている和菓子の多くは「丸」い形をしています。丸い形には優しさ、柔和の思いがこめられており、またその丸い形をつくる技術こそが、日本古来から受け継がれている「和菓子の伝統技術」です。新杵堂グループの企業理念である「お菓子で人々を幸せにする」(輪)と、この和菓子の伝統の「丸」を、世界でも最先端の流行発信地であるニューヨークにて融合させたのが「『丸=Rolls』NewYork」です

11 これからの一歩

新杵堂グループは企業理念である「お菓子で人々を幸せにする」を胸に進んでいきます。そしてどんなに大きな困難が立ちはだかっても世界へ向けた挑戦は続きいていきます。